こどもの習い事どうしたらいい?

最近、未就学児や小学校低学年のお子様の習い事や勉強についての質問をいくつかいただいたのでまとめてみようと思い筆を執ってみました。

頂いたご相談はこのような相談です。


「算数が苦手で、9-2=7はわかるのに、9-7=2がわからないみたい」
「○○式に通わせているけど、苦手な算数がどんどん嫌いになっているみたい」
「英会話に行っているけど話せる気配がない」
「習い事の先生からは褒められるのに学校のテストはひどい点数を取ってくる。なんでそうなるのかがわからない」

問題点を整理するとこんな感じです。

  1. 習い事で習っている事が形骸化している
  2. 目的がずれている
  3. やる気がない

原因①習い事で習っている事が形骸化しているとはどういうことか?

例えば、そろばんを習っていて計算ができないおこさんの頭の中はどうなっているのでしょうか?
恐らく、そろばんをするときの計算のやり方があると思います。
足し算はこうやって手を動かす。掛け算のはこうやる。といったように問題に合わせて、先生が教えている解き方のパターンがあります。
そのパターンを覚えて、手を動かしたり計算したりすることを「作業」として覚えてそれを再現する(まねる)事がそろばんだと思っているお子さんは、計算式が書いてあるテストでは、問題の形が違うし、そろばんは手元にないし、違うものとして見えているといくらそろばんが上達しても、計算が早くなったり正解率が上がることはありません。

それが特にわかりやすいのが、英会話や○○式の教室です。

英会話では、英語のフレーズをなんとなく話せるようになっても、あいまいに覚えていると、いざテストになった時に is play と書いたり、単語の綴りが書けなかったりするこどもがいます。

○○式のようにその教室の教材の問題の形に慣れて、そのルーティーンをこなすことに慣れてしまうと、違う形の問題に対応できなくなる子がいます。

最近のこども達は正解をまねすることに慣れている

真面目な子であればあるほど、正解をまねして再現する事に安心感を覚え自分で考え対応することができないようです。

これは最近の教育に「考える力や表現・発想力」などを大事にして鍛えようという風潮があることが原因です。

それ自体は悪くないのですが、「考える力や表現・発想力」を鍛えるには教える側のがこども達に「教えられるだけの力」が必要です。

しかし、大手であればマニュアル化された誰にでも扱える教材で指導しなくてはなりません。
当然考える力にも正解があり、見本があります。
そうなると、「どんなこどもでも考える力や発想力が身につく」といういかにも手に取りたくなる教材が完成します。

ですが、実際は答えのある問題しか解けない子に育ってしまいます。

原因②目的がずれている

本来の目的は、そろばんはそろばんが上手になる。英会話は英語で話ができる。だったと思います。

なのにいつしかそろばんをしていれば将来数学が得意になる。
英検で有利、受験で有利になる。
といった、別の目的で教室に通うようになってしまいます。

ですが、最近の学校教育は高度化しより学術的(アカデミック)になっています。
それは、海外の教育と比較した時に日本の学校での勉強が入試のための勉強になっていて、国際競争力が落ちていたり、大学の評価が下がっていったりしていたことで、文科省が方向転換を図ったことにあります。

また、少子化の影響でそれそれの教室が本来の目的以外の価値をつけて通ってくれる生徒を増やそうとしているのが原因です。

まんまとセールストークにのせられていますね。

そろばんをしていて計算スピードが早くなる子がいるのも事実ですが、そろばんだけやっていても早くなりません。
算数の問題を解く時にそろばんで習ったことを応用できるように練習する必要があります。

原因③やる気がない

小さいお子さんの習い事のモチベーションは、その習い事以外のものにあることはよくあります。
例えば、お菓子やシールがもらえる。先生が面白い・やさしい。友達がいる。など。。。
そのために、習い事はやりたくない事をガマンしてる。かもしれません。

ガマンしても真面目に取り組んでいれば実力は伸びてきますが、ガマンするために適当にやり過ごしている場合は、身になりません。

そうなると、その習い事を嫌いになってしまうので、やめたいといった時にはすっぱり辞めさせてあげると良いでしょう。

習い事で悩んだらすべきこと

まずは、目的の確認です。
お子様に「○○楽しい?」「次の○○までがんばろう」と声をかけてみてください。
笑顔で、「楽しい!」「次は〇級だから」「〇月の発表会に~」と元気な声が返ってくればOKです。

逆に、「べつに」「え~練習イヤだ」などと返ってきた場合はやりたくないか、習い事以外(シールやお菓子など)が目的になっています。

その習い事をやめたり、教室を変える事をお子さんと話しあってみてください。

また、習い事をやっているのに学校の成績が悪くギャップがある場合は要注意です。

例えば、計算の習い事をしているのに学校の算数の成績が悪かったりすると、「自分は他の人より頭が悪い」「人より努力しているのに才能がない」など悪い方向に考えてしまいます。

そうなると、努力する事がムダに思えたり、自己肯定感が下がったりするのでそうなる前に習い事を変えて下さい。

小学校低学年までは、習い事は楽しくてなんぼです。
一次的にモチベーションが下がっているだけならいいですが、そうでなければお子さんの気持ちを優先してください。

小さいうちにやって欲しいこと

①体づくり

遊ぶにも勉強するにも体力がないと続きません。
学校の授業で寝ないくらいの体力は最低限鍛えておきましょう。
最近は座っているのがキツイというお子さんもいます。疲れて授業中に眠くなるというお子さんもいます。特別足が速くなくてもいいので、放課後公園で遊んでもその後宿題ができるくらいの体力はつけておきましょう。

②読書

どんな勉強でも教科書を読みます。まんがや小説だけでなく、図鑑や絵本などできるだけ多くの種類の本を家に置いてください。
普段は読まなくても必要になった時に手に取って読める事が大事です。
因みにうちには、高さ2mくらいの本棚が5つあります。(下手したら500冊くらいはあるかも)
毎月1万円意味のない習い事をするくらいなら、その分本を買って置いておいた方が教育にはいいです。

③学問の基礎を学ぶ

計算も英語も国語も理科も社会もどんな学問(勉強)にも基本があります。
例えば、算数で「9-2=7」は当たり前だと思いますが、なぜそうなるのか説明できますか?

こどもに
クッキーが9枚あって2枚食べたら残り7枚でしょう?と説明しても1枚割れたら8枚になるよ。と言われてしまいます。
「そんなヘリクツ」と思ってはいけません。そのヘリクツが発想力です。

そんな時は、クッキーをお友達に変えて説明しましょう。
友達は1人を2人にできないですよね。これが算数です。(数学的にはこれを前提条件といいますが、小学校では説明しません。)

数学には前提条件や定義があるのですが、この基本を教える事はしません。というか、できる人が少ないのです。

英語や国語はコミュニケーションの道具なので、基本的には伝わればOK。
英会話ではそこを大事にするので、伝わる言葉で話します。

一方学校の英語や国語は同じ文章から同じ答えを読み解く事が目的です。
なので、文法や共通認識が重要です。
特にアメリカ人と日本人は常識や考え方が違うので英会話で言葉の訳し方だけを覚えてしまうと考え方の違いが理解できず悩む結果となります。

考え方や文化の違いも一緒に知っておくと大人になってからも役に立ちます。