学力調査報告書から読み解く北九州市の教育のいま

毎年4月にテストが行われ11月に発表される頃にはみんな存在を忘れていると思います。www

令和5年度 全国学力調査 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kyouiku/03100016.html

北九州市は全国と比較して低いです。

毎年の変化を見ながら対策を考えていきたいと思います。

小学生

まず、全教科を通して言えることは全国平均と比べ2~6%程度正答率が低いことです。

北九州市は全国的に学力が低い都市だといえます。

特に算数は昨年に比べ大きくし正答率を落としています。同様に理科も下降傾向にあります。

各教科を個別に見ていくと、

国語

国語は文章を読むことはできるが考えて書く事が出来ていません。

思考判断の書く問題の正答率は24%でした。

これは全国的に同様の結果が出ていますが、北九州市は全国平均を下回っています。

私も指導して感じているのですが、決まったことを書く事ができる生徒はいますが、0から自分の意見を書く事ができる生徒はほとんどいません。

原因は学校で文章構成や書き方を教えていない事にありますが、書く力があれば高校・大学入試で役に立ちますしので是非小さいうちから自分で考えたことを表現する事を聞いたえて下さい。

算数

算数も全国平均と同じような結果です。

記述式の問題の正解率が低いのは、国語の考えて書くができない事と同じ理由です。

加えて、図形とデータの活用の正答率が低く出ています。

実は算数と国語では文章の構成が違います。それに気づかづに「文章問題は国語力だ!」なんて言っているとドツボにはまります。

数学では論理的思考に沿った読み方ができるようになりましょう。

論理的思考力が身につけば自然と表やグラフなどのデータが読めるようになります。

中学生

北九州市の学生は全国に比べ学習にかける時間が短く自尊心が低い傾向にあります。

勉強しない→成績が悪い→自分は出来が悪いと思い込む→自信を無くす

このような負のサイクルに陥って更に勉強しなくなります。

国語

H31年度のテストでガクっと下げてからは徐々に持ち直してはいるものの、まだ全国平均には届いていません。

ですが、他の教科に比べると踏ん張っているように見えますが、これは全国的に国語力が低下しているからだと考えます。

対策としては小学生と同じですが、中学生はもっと文法に力を入れて読むようにしましょう。

学校でも塾でも文法は覚えても点数にならないといわれる事もありますが、文法を正しく使わないと読解ができません。

使い方を教えられる先生は減っていますので、読解の授業の時に文法の説明をしている先生を選ぶようにしてください。

数学

数学の回答率が低く全国平均から約10%も下がっていた、令和4年度に比べると少し持ち直しているように感じますが、数学の正答率は全国平均でも51%と低水準ですので北九州ががんばったというより、全国的に正答率が低いのでよくなっているというより全体が悪化していると考えてください。。

個別にみると、図形の問題の正答率が低いですが、計算問題等の決められた手順で解く問題以外はできていないのでしっかり数学の基礎を対策しなくてはいけません。

数学は小学生同様論理的思考を鍛えます。加えて中学生は方程式を頑張りましょう。

小学校までの算数は「計算」する事が主ですが、中学校からは「解く」事が多くなります。

解くためにはイメージできない事を公式を使って答えを探す作業になるので、式の形を見て解き方がイメージできるように様々なパターンの解法を理解する事が大事になってきます。

英語

英語は3年に1回(コロナで実施していない年度は除く)なのでデータが少ないですが、それにしてもこの成績の下がり方はひどいと思います。3教科の平均は全国平均から5%低いだけですが、英語は全国平均から12%も低いです。

北九州の英語力は全国的と比べて低い事が見て取れます。

英語も国語と同様に書く事の能力が低い結果が出ていますが、これは国語と同じ表現力が低い事に加え、日本語で考えた文章を英語に訳す文法力と語彙力がないためです。

中学生の考える日本語をそのまま英文にするには高校3年生くらいの英語力が必要なので不可能に近いです。

なので、英語は始めから英語で考えるようにしましょう。(小3くらいの日本語を英語で考えるイメージです。)

入試や定期テストで点を上げるには

旧時代的に覚えれば何とかなる時代は終わっています。

大量暗記ではどうにもならない事は大学受験を見ていただければわかります。

工業高校や商業高校を除く高校は大学受験のための準備をする場所です。

当然、大学に受かりやすい生徒を欲しがっていますので、大学入試の変化は数年後には高校入試に反映されます。

実際に、昨年度(令和5年)の八幡高校や八幡中央高校の推薦入試では集団討論が試験課題に入っています。

得た知識をどう使って、表現するか?を鍛えておかなければこれからの受験では確実に後れを取ることになるでしょう。

当然、入試問題だけでなく定期テストや学校の教科書も数年後にはそのような内容に変わっていくでしょう。

だから、今のうちから基本をしっかりと理解し表現できるようになっておきましょう。